第3回 『みんなで考えよう事業承継』
「家族会議から始める事業承継」
事業承継部長、中小企業診断士の山﨑眞嗣です。
事業承継第3回です。
第1回では「事業承継とは何か」という話を、
第2回では「事業承継はなぜ進まないのか」という話をしました。
では、実際に何から始めればよいのでしょうか。
私が引継ぎ支援センター(現:静岡県事業承継・引継ぎ支援センター)で親族内承継・従業員承継の相談を受けていたころ、多かった相談があります。
1つは、経営者と後継者のコミュニケーションが取れていないという相談です。
70歳の経営者、40歳の後継者ですが、後継者から、自分がいつ社長になるのか、株をどうするかを聞いていないという相談でした。
確かに2023年の中小企業白書でも70%以上の経営者が後継者に話せていないというデータがあります。

事業承継には経営者と後継者のコミュニケーションが欠かせません。
そして実は、この「話し合っていない」という問題こそが株式の分散や承継トラブルとなるケースにつながっていきます。
その典型的な相談が次のケースでした。
もう1つは、株式が分散していて困っているという相談です。
後継者に事業承継するのにあたり、経営者と後継者の株式合わせて40%いかないぐらいだったとの相談でした。
創業者である社長の祖父が、役員や親せきに株を渡してしまっていて今は会社と関係ない3人に株式が渡ってしまっていました。
経営者が訪ねて、株式の買い取りを打診しましたが、AさんはOK、Bさんは自分の代では持っていたいので相続の時に買い取ってほしい。
Cさんは子供に渡してあげたいと、すぐには全て買い取ることができませんでした。
ここで初めて、多くの後継者が「経営の不安」を実感します。
株式を50%以上持つと、株主総会の普通決議(役員の選任解任等)ができますし、66.7%以上持つと特別決議(M&A等)ができます。
後継者が安心して会社経営に取り組むためには、66.7%以上の株式を持っておいた方がいいです。
こうした相談を数多く受ける中で、私自身が強く感じているのは、事業承継では「何から手をつけるかの順番」を間違えないことが重要だという点です。
そこで、事業承継の際に気をつけることを、順番に整理してみました。
1.「争族」対策
・揉めないで、家族が納得できる分割ができるか
2.生活資金対策
・老後のための資金は確保されているか
3.納税資金対策・分割調整資金対策
・贈与税・相続税が払えるのか
・「争族」とならないために分割調整資金は確保されているか
4.節税対策
・贈与税・相続税などを節税できるか
順番を間違えると、どれだけ節税しても、後からやり直しができなくなることがあります。
事業承継時には自社株などの事業用資産は後継者に集中させた方が、あとあとの会社経営に安心感が高まります。
ただ、その場合、後継者以外の相続人にしっかり分けられるでしょうか?
そこができないと「争族」になってしまいます。
ここまで見てきたように
・話し合えていない
・株が分散している
・順番を間違えてしまう
これらの多くは、最初に「家族で整理する場」がないことが原因です。
そこで、私たちは「家族会議から始める事業承継」をモットーに事業承継対策を行っています。
経営者、後継者、家族のコミュニケーションを図るため、私たちが第三者として家族会議に同席します。
参加者皆様と事前ヒアリング、家族会議同席、議事録作成など、家族の皆さまが笑顔で納得できるまでお手伝いいたします。
会社を永続させ、家族みんなを安心させることが私たちの望みです。
ご興味ある方は、事業承継部山﨑までご連絡ください。